2012/10/17

9月の読書

2012年9月の読書メーター
読んだ本の数:24冊
読んだページ数:7386ページ
ナイス数:100ナイス

残穢残穢感想
安原さんしかいないSPRみたいな。非常にGH的なノリで楽しかった。途中だんだん地の文にも怪異が侵食(伝染?)してきて、ああこれ最後が現実と怪異がない交ぜになって幻想怪奇的な感じで終わるとかいう展開だったら嫌だなあと思っていたら、ちゃんと最後まで理性的で安心。さすが小野さん。実在の人物もふんだんに登場するドキュメンタリータッチのお話で、実話怪談ものとしてもたいへん怖くて良かったです。先に『鬼談百景』を読んだのはわたしとしては正しかったと思うけどどっちが先でもどっちも面白怖がれると思います。
読了日:9月1日 著者:小野 不由美

おいち不思議がたり (PHP文芸文庫)おいち不思議がたり (PHP文芸文庫)感想
可もなく不可もなく。ありがちな登場人物、ありがちな事件、ありがちな展開、主人公を巡るありがちな謎。続編があるんだろうけど読まないなぁ。
読了日:9月4日 著者:あさの あつこ



魔性の子 十二国記 (新潮文庫)魔性の子 十二国記 (新潮文庫)感想
何度買わせるんですか新潮さん。。山田画伯の描き下ろしなんてズルい。何度読んでも広瀬が不憫でなりません。「故国」を失い、やっと得た「同胞」もまた、失わなければならない彼は哀れで。でもわたしが後藤先生でも「甘ったれんな」て言うだろう。もっと歯に衣着せずに。多分。地に足つけて生きれ。人間だもの。十二国記をここから読み始めると、これは凄いホラーとして読めるんだろうなと思うとうらやましい。さて以下続刊、更には新作がもう涎が出るほど待ち遠しいであります。
読了日:9月5日 著者:小野 不由美

月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)月の影 影の海(上) 十二国記 (新潮文庫)感想
苦行の上巻。読者は陽子と一緒に虚海を超え、異世界に戸惑い、襲い来る数々の困難にうちひしがれながら、少しずつこの世界の理を知っていくという、シリーズ導入として見事な構成を持った一作。もちろん、陽子の成長にもファンタジックな世界にもケイキという謎の存在にもとりどりの妖魔にもドキドキワクワクしながら楽しめる最高のエンターテインメントなのである。上巻は陽子が本当に辛くて読むのもしんどいので、下巻に癒しを求めて即座に手に取ってしまう罠。次作刊行までとっておこうとか思っていたのにな。。
読了日:9月7日 著者:小野 不由美

月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫)月の影 影の海(下) 十二国記 (新潮文庫)感想
癒しと興奮の下巻。運命の人に出会い、痛ましい事件を乗り越え、スルリと脱皮するように突き抜ける陽子。読むほうも爽快。よき案内者を得て、陽子も読者も詳しく世界の成り立ちを知り、陽子を取り巻く謎も解ける。それは陽子にとっては新しい試練の始まり。ここでまた悩む陽子が、それが良い資質でもあるんだろうけどもどかしい! 何回読んでもこんなにワクワクする物語はない。また楽しませてもらいました。しかし陽子の父ちゃんが最低のマザコン野郎であります。こういう父親が娘をダメにしますよ!
読了日:9月7日 著者:小野 不由美

戒感想
美しい構成の物語だなあと思いました。作者が同郷で意味もなく興奮してしまった(笑)主人公の戒が、天才でありながら、自分を取り巻く常識や思惑や制約やそういうものにとらわれて小さく閉じ籠ってるのがまた、人間的ではあるんだろうけどつまらない。邪悪な母の呪縛などバリバリと破いてしまえば良かったのに。でもそれに絡め捕られて動けない自分を哀れんで、プライドを保つことが、戒の選んだ生き方。その姿勢がどうにも卑小だ。彼の「弟」達の突き抜けた生き方の方が好みだなあ。「史実」と「事実」の面白い関係が楽しめました。
読了日:9月7日 著者:小山 歩

亀になったおばあさん亀になったおばあさん感想
タイトルがネタバレ? 祖母と孫娘の心の交流。あるいは母と娘、母と娘の。生きることの果てに、亀になること、を選んだおばあさん。アルダブラゾウガメの寿命は長いから、人生(亀生?)の青年期になって若返り、新しい生の命題にいきいきと取り組む。死にたくなるまで死ななくていい、というのはだいぶ魅力的だなと思いました。マックスが気持ち悪い。罪もない、とか、イタリアじゃ知らんがストーカーは犯罪です。
読了日:9月8日 著者:シルヴァーナ・ガンドルフィ

聖女の救済 (文春文庫)聖女の救済 (文春文庫)感想
いやー凄いトリックだった! なんというかもうほんとに凄いの一言に尽きる。草薙刑事が不甲斐ないですよ! メロメロパンチ。そして湯川の福山化がひどい。これはわたしの脳内の問題か。それにしても、最初は、そういうポリシーならブライダルチェックなりなんなりしてから結婚しろよ、とか思ってましたがそうか、一縷の望みをかけてたのね。。いろいろと切ないラストでした。
読了日:9月10日 著者:東野 圭吾

下町ロケット下町ロケット感想
興奮のあまりジタバタすること数度。夫に気味悪がられた。ロケットの話かと思ったら特許の話かと思ったらモノづくりの話かと思ったら会社経営の話かと思ったらやっぱりロケットの話でそして全部の話だった。男たちが熱い。他の作品も読むべきなんだろう。うむ。面白かった。
読了日:9月13日 著者:池井戸 潤


ワンダーランド in 大青山 (集英社文庫)ワンダーランド in 大青山 (集英社文庫)感想
ホラーでスプラッタなんだけどコメディ。慣用句の使い方が面白いなあと思った。ラストちょっと崩壊しすぎ。これも伝奇的と言えるだろうけど好みが分かれるところ。
読了日:9月16日 著者:倉阪 鬼一郎




気仙沼に消えた姉を追って気仙沼に消えた姉を追って感想
震災や、姉を喪ったショックからなんとか立ち直りたい、気持ちの整理をしたいという切実な思いが伝わってきます。故郷から離れた地でこの震災に遭った人がみな幾らかは感じたであろう不安、焦燥、いわれのない罪悪感、底知れない喪失感。分かります。興味深く読めたのではありますが、いまひとつ練りこめていないというか、物足りなく感じました。
読了日:9月17日 著者:生島 淳

バベル島 (光文社文庫)バベル島 (光文社文庫)感想
ミステリありホラーというか怪談あり。色んなテイストの短篇集。「上下する地獄」ちょっと笑えた。「招き猫対密室」今市子の漫画みたい。全体的になんか薄かったなぁ。面白くない訳ではないのだけれども。
読了日:9月18日 著者:若竹 七海



5年3組リョウタ組5年3組リョウタ組感想
心あたたまる。いろいろあるけど、日本の教育現場はまだ大丈夫。実際小学校の先生が読んだら、「こんなもんじゃないよ!」とか叫んじゃうかもだけれど。それにしても他人と向き合う仕事って本当しんどくて尊い。あと女性って実際そういうとこがあるもんだけども、山岸先生がずるすぎ。酷い。。
読了日:9月19日 著者:石田 衣良


魂萌え !魂萌え !感想
いやなかなか興味深く。親の世代の話だけどなぜか身近に感じた。自分も夫が急死したら拠り所がなくなってどうやって生きていくのか途方に暮れちゃうなぁなんて。主人公がいつ騙されるか気が気じゃなかったけどあんまりひどいことにならなくてよかった。
読了日:9月19日 著者:桐野 夏生



妊娠カレンダー妊娠カレンダー感想
美しくてちょっと怖い3編。世間から隔絶されたような人々。妊娠、不具、勧誘、世俗的なことがらを扱いながらちっとも実体感を伴わない。そこはかとないエロス。
読了日:9月20日 著者:小川 洋子

女神記 (新・世界の神話)女神記 (新・世界の神話)感想
ナミマが可哀相である。男は神代の昔から自分勝手なのだ。イザナミがあんまり人間くさくて神っぽくない。語り口も神話ぽくない。会話も妙に現代的。で、いまひとつ雰囲気を楽しめなかったのが残念。
読了日:9月20日 著者:桐野 夏生



あやし―怪あやし―怪感想
女の首。かぼちゃの神様がなんとなく微笑ましい。事件は微笑ましいどころでなく痛ましく恐ろしいのだけど。影牢。酷い話。ひとのこころが結局はいちばん恐ろしいんだよ、ということかな。
読了日:9月21日 著者:宮部 みゆき



神様のラーメン神様のラーメン感想
うーむ。手放しで面白いとは言えない本。ナンセンスではある。料理の蘊蓄もすごい。でもあんまりお腹は空かない。もっとも感嘆したのは作者の経歴。定年後に小説家を志すなんてすごい。
読了日:9月24日 著者:多紀 ヒカル



過ぎる十七の春 (講談社X文庫―ホワイトハート)過ぎる十七の春 (講談社X文庫―ホワイトハート)感想
ダヴィンチの小野不由美特集を読んだら読みたくなって。美文というわけではないのだけど花の里の春の風景の描写が本当に流麗で、同じ筆で祟りも綴っていて、何度読んでもひきこまれる。三代が素敵。
読了日:9月25日 著者:小野 不由美



シャイロックの子供たちシャイロックの子供たち感想
銀行ってブラックなんだな…。一章で副支店長の傲慢な社畜意識に辟易し、二章では胃の縮む思いを味わい、うう、疲れると思いながらもページを繰る手が止まらない不思議。現金紛失事件からこっちはもうわくわくしながら読み進め、どんでん返しに継ぐどんでん返しに心踊り、衝撃のラストでうわあ~ってなり。いや、みんななかなかシャイロックしてましたなぁ。みんな妻子がいるのが切なかった。
読了日:9月26日 著者:池井戸 潤

悪夢の棲む家 (上) ゴースト・ハント (講談社X文庫―ホワイトハート)悪夢の棲む家 (上) ゴースト・ハント (講談社X文庫―ホワイトハート)感想
久しぶりに再読。うーむ、広田氏の意固地さは、明治時代か、って感じで思わずイライラするw 翠さんが、そんな広田をいなして自分の意見を通す、楚々としながらも芯の強い女性なところに救われる。シリーズ続編の嚆矢、という感じで、SPRの概観とメンバーみんなの紹介も含めた感じの1作なんだけど、さらに続編、は期待薄なのでしょうか・・・。
読了日:9月27日 著者:小野 不由美

悪夢の棲む家 (下) ゴースト・ハント (講談社X文庫―ホワイトハート)悪夢の棲む家 (下) ゴースト・ハント (講談社X文庫―ホワイトハート)感想
下巻まで一気読み。やはり怖い。お風呂場のシーンなんかもう。漫画化されているようだけれども怖そう。最後の広田に対するフォロー(?)は何。これもまたレーベルのしばりとやら? 全員美形じゃなくてもいいじゃない!
読了日:9月27日 著者:小野 不由美



西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (C・NOVELSファンタジア)西の善き魔女〈1〉セラフィールドの少女 (C・NOVELSファンタジア)感想
積読解消。舞踏会の後から面白い。「うは、腐女子おったわwww」と思わず口走って夫に不振がられたのは秘密。気軽に楽しめそう。
読了日:9月28日 著者:荻原 規子





西の善き魔女〈2〉秘密の花園 (C・NOVELSファンタジア)西の善き魔女〈2〉秘密の花園 (C・NOVELSファンタジア)感想
女子高って! に尽きる。ルーンがどんどん可愛くなるのはなぜでしょう。しっかり男の子なところもいいですな。うむうむ。そしてエヴァンジェリン大手過ぎるww
読了日:9月29日 著者:荻原 規子

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